JMPによるロバストエンジニアリングの実施例 ~予測プロファイルとシミュレータを用いて~
ロバストエンジニアリング(Robust Engineering)とは、工程中に避けられないばらつきが存在しても、安定して規格内の製品を生産するための技術です。 ここでいう「安定」とは、気温や湿度といった製造環境の変動(誤差因子)に左右されず、品質を維持できる状態を指します。誤差因子は通常制御が困難ですが、製品の応答に影響を及ぼす要因の多くは制御可能な因子(制御因子)として扱われます。 したがって、誤差因子が変動しても製品が仕様限界内に収まるようにするためには、適切な制御因子の条件(水準)を探索・設定する必要があります。 このとき、JMPでは「予測プロファイル」や「シミュレータ」を用いて、最適な制御因子の条件を見つけることができます。 本記事では、例題を通してその手順を紹介します。 例題:穴あけ加工で穴径を10mm に安定させるには ある材料加工会社では、穴あけ加工における...