下の図は、2000年~2024年の6月における、日ごとの最高気温の平均(青色の点)と最低気温の平均(赤色の点)線で結んだグラフです。

上記の説明だけでも、このグラフが何を示しているか、おおよそイメージできるのではないでしょうか。
このように、2つの数値(例:最低気温と最高気温)を線で結ぶことで、ダンベルのような形になることから、このグラフは「ダンベルチャート(Dumbbell Chart)」と呼ばれています。
ダンベルチャートは、2つの値の差や変動幅を視覚的に表現する際に有効で、特に時間的変化やグループ間の差を示すのに適しています。
本記事では、JMPの「グラフビルダー」を使って、このダンベルチャートを作成する方法をご紹介します。
グラフビルダーでは、直接「ダンベルチャート」というグラフタイプはありません。作成するポイントとしては、「区間」ゾーンに2つの数値変数を指定することで、区間の下限値と上限値として扱えることです。

JMPでダンベルチャートを作成する操作手順
JMPのサンプルデータ「Cholesterol.jmp」は、各被験者を4つの処置群(A, B, コントロール、プラシボ)に分け、3ヶ月の間、1ヶ月に1回、午前と午後に測定したコレステロールの値が入力されています。
ここでは、「4月 午前」から「6月 午後」の変化を、ダンベルチャートで示してみます。

※実際のサンプルデータには、「ID」という列がありません。ここでは被験者を区別するために、「ID」列を追加したデータを示しています。このデータは本ページからダウンロードできます(Cholesterol_Dumbbell_Chart.jmp)。
操作手順
「グラフビルダー」を起動したのち、次の操作を行います。
1. 「ID」を [Y] ゾーンに、「4月 午前」と「6月 午後」を同時に選択し[X] ゾーンにドロップします。

2.「4月 午前」と「6月 午後」を同時に選択した状態で、[区間] ゾーンにドロップします。

これでダンベルチャートを作成できています。あとは、軸の設定やマーカーの設定の変更などをしてグラフを成形していきます。
これら一連の操作手順は、以下のビデオで確認できます。
ダンベルチャートを描く手順(音声なし)
成形後のダンベルチャートの例
成形して作成したダンベルチャートです。このグラフより、A群、B群はコレステロールの値が大幅に低下している傾向が見られることや、コントロール群、プラシボ群では変化が小さい、もしくは増加しているケースが確認できます。

参考:2つの数値変数の値の範囲を表現するグラフを作成したい場合、2つの変数に対する棒グラフを描いた後に、[棒のスタイル]を [間隔] に変更することでも対応できます。

by 増川 直裕(JMP Japan)
Naohiro Masukawa - JMP User Community
Cholesterol_Dumbbell_Chart.jmp
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