変量効果モデルによる「室内再現精度」と「併行精度」の算出 ~医薬品開発における精度の評価~
本記事では、医薬品開発における精度評価で用いられる「室内再現精度(Intermediate precision)」と「併行精度(Repeatability)」をJMPを用いて算出する方法を例題に沿って説明します。 この記事を書くきっかけとなったのは、最近公開した小野薬品工業株式会社様のユーザー事例 です。この事例の中では、室内再現精度や併行精度の評価方法として、制限付き最尤法(REML)を用いて分散成分を推定するといったコメントがあります。 この事例をご覧になったユーザーから「この方法を詳しく説明してほしい」という要望をいただいたため、本記事を執筆することにしました。 室内再現精度と併行精度とは ここでいう「精度」とは、同一試料(検体)を複数回測定した際の測定値間のばらつきを評価することを指します。 医薬品のガイドラインである「ICH-Q2 分析法バリデーション」では、次...