PDCAサイクルに基づくコイン射撃を用いた能動型データサイエンス教育_小川 昭(2023-JA-PO-03)
近年は多種多量のデータの合理的処理の必要性が高まりデータサイエンスがその重要性を増している.この教育には座学により知識や分析方法を学ぶ受動型と,実技演習により問題解決や課題達成を学ぶ能動型の二つのタイプがある.これまでは主に受動型教育が推進され,すでに充実した成果が得られている.しかしながら能動型教育はこれからの課題とされそのためのアプローチの開発が強く要請されている.
実務の場では問題解決や課題達成に関して長年に亘り計画(Plan),実施(Do),検討(Check),処置(Act)のPDCAサイクルのアプローチが用いられて多くの成果をあげてきた.その本質は事実をデータという形で取集した上で分析し,得た結論に基づいて仮説を発想し,それを実行した上で結果をデータとして収集し仮説を検証するもので,これは取りも直さず能動型データサイエンスそのものである.
著者らは長年に亘りコイン射撃教材とPDCAサイクルの両者を用いた教育プログラムを開発するとともにそれを講義・講習会等で実施し,その内容を各種の場(論文,学会発表,講演等)で多数回の発表を行ってきた.本発表ではこれらを体系的に整理し能動型のデータサイエンス教育について報告を行う.