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医療機能評価からみた医療事故発生割合に関する要因分析 〜済生会系列病院における医療の質評価〜_佐村 紫帆(2022-JA-25MP-07)

レベル:初級

本研究は、ドナベディアンの医療の質評価の3側面のうち、構造(ストラクチャー)に着目した医療機能評価から、結果(アウトカム)指標の一つである医療事故の発生割合に関する要因分析を行うことが目的である。そこで、概要をまとめる概念図と特性要因図を作成することで分析項目を洗い出し、病院機能評価機構の審査結果と厚生労働省の医療の質の評価・公表推進事業の臨床指標(QI:クオリティ・インディケーター)からデータセットを作成した。本研究では、一貫した評価基準と調査方法で臨床指標を収集し公開している済生会系列病院を分析対象病院とした。重回帰分析の結果、「臨床の倫理的課題への病院の方針決定」「安全確保体制」「療養環境整備」「医療機器管理機能」に関する審査項目の評価が高いほど、医療事故(3B以上のアクシデント)の発生割合が低いことが明らかとあった。

私は大学で看護学を専攻し、2年次からクリニックにおける初診患者満足度調査に取り組んできました。その研究は、Discovery Summit Japan 2021で口頭発表し、様々な意見をいただく機会となりました(2021-JA-25MP-08)。現在大学院では医療マネジメントを専攻し、「医療政策・管理学」や「医療機能評価論」などの授業を通して「医療の質」について学んでいます。これまでは、患者満足度という結果(アウトカム)だけに焦点を当てた研究をしていましたが、今回は授業で学んだことを活かして医療の質を評価するドナベディアンモデルの構造(ストラクチャー)・過程(プロセス)・結果(アウトカム)の3側面のうち、構造(ストラクチャー)の視点を追加することとしました。今回は、主に重回帰分析について学ぶ「クオリティマネジメント」という大学院の授業で取り組んだ内容を発表したいと考えています。

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https://community.jmp.com/t5/Discovery-Summit-Japan-2022/Discovery-Summit-Japan-2022-%E8%AB%96%E6%96%87%E9%9B%86/ta-p/568396