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Naohiro Masukawa

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「時系列分析」により2026年の出生数を予測 ~増加が見込まれる唯一の都道府県とは?~

日本の出生数の減少が止まりません。下図は、先日公表された日本の出生数(速報値)をもとに、都道府県ごとの過去10年(2015年~2025年)の出生数の減少率を地図上に表したものです。最大で48.1%(秋田県)、最小でも20.7%(東京都)と、大きく減少しています。

fig1.png

データの出典:厚生労働省 人口動態統計

 

実際に、日本における出生数の推移(速報値)を調べてみると、毎年のように過去最少を更新している状況です。昨年の2025年も例外ではなく最少を更新し、年間出生数は705,809人でした。

fig2.png

 

減少しているとはいえ健闘した結果に

実は、ちょうど昨年の今頃、2024年までの出生数のデータをもとに、時系列分析を用いて2025年の出生数を予測していました。

そのときの記事を再掲すると、このとき2025年の出生数は686,798人になると予測していました。

昨年同時期に投稿したブログの引用昨年同時期に投稿したブログの引用

実際、ニュースなどの報道でも、2025年の出生数が公表される前には66~67万人程度と予測されていました。これらの予測と比べると、実際の出生数はかろうじて70万人を超えたため、減少傾向の中では健闘した結果と言えるのではないでしょうか。

日本の将来を考えると、予測より上振れることは望ましいことです。

 

2026年の出生数予測

では、今年(2026年)の出生数を予測してみましょう。分析には、2015年1月~2025年12月までの月次データを用います。

昨年は日本全体の出生数のデータを用いて予測を行いましたが、今回は都道府県別に出生数を予測し、それらを合計することで、2026年の日本全体の出生数を予測してみます。

そのため、以下のような、都道府県ごとに年月別の出生数を入力したデータを用います。

fig4.png

 

分析にはJMPのプラットフォーム [時系列予測]を用います。

この時系列予測の特徴は、複数の平滑化モデルを自動的に当てはめ、その中から最も適したモデルを自動的に選択して予測を行える点にあります。また、今回のように、都道府県別といった多くの系列をもつデータでも、各系列ごとに最適なモデルをあてはめることができます。

上記のデータに対して[分析] > [発展的なモデル] > [時系列予測]を選択し、[Y]に「出生数」、[時間]に「年月」、[グループ変数]に「都道府県」を指定します。すると「モデル化の設定」レポートが表示され、予測のための詳細な設定を行うことができます。

fig5.png

デフォルトでは「モデルの選択」レポートでチェックの入った19個のモデルをあてはめます。また「予測に関する設定」では、予測する期間がNAheadの値として設定ができます。このデータは月次データであり、NAheadの値が12であるため、予測対象は2026年の1月~12月の出生数になります。

 

予測の結果

都道府県ごとにモデルをあてはめたときのレポートです。「モデルの種類」には、あてはめた最良のモデルの種類が表示され、「モデルのレポート」には、そのモデルをあてはめた原系列(予測に用いた系列)と予測系列がグラフとして表示されます。

下図は、北海道に対する予測です。2026年はさらに減少する予測となっています。

fig6.png

レポート左上にある「時系列の選択」から、都道府県を切り替えてレポートを表示できます。切り替えながら都道府県ごとの予測を確認すると、ほとんどの都道府県で2026年の出生数は減少すると予測されています。

しかし、東京都の予測を見ると、そうではありません。予測のグラフをみると横ばい、あるいはむしろ増加するという予測となっています。

fig7.png

「時系列予測」のレポートの赤い三角ボタンから [結果の保存]を選択すると、都道府県ごとの原系列と予測系列の値をデータテーブルで保存することができます。

保存したデータテーブルを使って、日本の2026年の出生数予測をグラフ化してみました。下図の棒グラフにて青色の棒が実測値を、オレンジ色の棒(2026年)が予測値です。

fig8.png

やはり日本全国で見ると、出生数は年々減少しているため、今年も減少することが予測されます。

都道府県別に見ても同様のことが言えるのですが、唯一、東京都だけは約1,300人程度増加に転じると予測されています。

fig9.png

 

2025年に前年より出生数が増加したのは、東京都と石川県のみです。ただし、石川県は残念ながら減少する予測となっています。

 

出生数減少を食い止める要素はないのか?

ここまでの話は、あくまでも過去の出生数だけを用いて予測された今年の出生数です。もちろん、出生には政府の政策や経済環境など、さまざまな要素が影響してくると考えられます。

唯一の明るい兆しとしては、婚姻件数が2024年、2025年と増加傾向にあることです。2025年の婚姻数は前年に比べ5,657組も増加しています。

fig10.png

婚姻数が増えれば出生数も増えるといった単純な構図になるかは分かりませんが、人口減少を少しでも食い止める要素にはなるのではないかと考えています。

日本政府も少子化対策に本腰を入れているところでもあり、今後の動向に注視していきたいと思っています。

 

by 増川 直裕(JMP Japan)

Naohiro Masukawa - JMP User Community

Last Modified: Mar 9, 2026 12:37 AM