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質問数の多いアンケート調査のための両側因果分析_髙橋 武則(2020-JA-45MP-03)

レベル:中級

 

【発表者】

高橋 武則, 客員教授, 慶應義塾大学

 

【発表概要】

現状を良くするためのアンケートは結果系と原因系の両方の質問が必要である.そして,両者の因果関係を回帰分析で把握すれば手を打つべき対象の選抜ができる.その場合,聞き逃した項目は調査後にカバーができないが,結果として不必要なものがあった場合は事後にそれを無視すればよい.このため回答者に負担をかけ過ぎないという配慮のもとに漏れのない質問項目を用意すると,その結果とし質問項目は多数となり項目間に高い相関が現れる.この問題に対しては,高橋・川崎により「多群主成分回帰分析」が提案されている.その本質は群内の相関は高く群間の相関は低くなるように構成した合理的な群のもとで群毎に主成分を求め,これを説明変数とした主成分回帰で重要な主成分を選択し,選択された主成分に対する因子負荷量の絶対値の大きなものの対策を打つべき主要項目として選抜するというものである.
時にはこの主要項目が密集することがあるが,それは因子分析で対応できる.因果分析は主成分を用いた場合が表側因果分析で,因子を用いた場合が裏側因果分析で,両者を合わせたものが両側因果分析である.本発表ではそのための理論とJMPを用いた具体的な方法を紹介する.

 

【発表者プロフィール】

著者は半世紀に亘りQM(質経営),SQM(統計的質経営)および設計論の研究と実践(多数の企業との共同研究および経営指導他)を行ってきた.1990年代より新しい設計パラダイムである超設計(Hyper Design)を提案し,その数理であるHOPE理論(Hyper Optimization for Prospective Engineering)を研究し,その支援ソフトであるHOPE-Add-in for JMPをSAS社と共同開発を行っている.以上より考え方である超設計,統計数理であるHOPE理論,支援ツールであるHOPE-Add-in for JMPの三位一体で新しい設計法を実現している.
 設計は敷居が高いため特殊な人々による特殊な活動と誤解されることが多い.これを打破し多くの人が設計を使いこなせるようにするために,著者は理論研究とともに新しい教育方法についても開発している.それは実物教材(紙ヘリコプター,紙グライダー,コイン射撃ほか)と仮想教材(飛球シミュレーターほか)を用いた体験型教育である.この教育プログラム(統計の基礎から超設計まで)は多くの場面でJMPによる可視化した解析と設計を行うために,分かり易くかつ面白い教育に仕上がっている.この教育は30年以上に亘り国内外の大学(慶應義塾大学,Yale University,東京理科大学,筑波大学他)および多数の企業で実施しその有効性を確認している.

 

※さらに詳細な理解を希望される方には、論文をご用意しております。ご希望の方は、発表者である高橋武則様まで直接ご連絡ください。