レベル:上級
火災に関する研究の多くでは,その活動の個々の要素に着目し,その特徴を詳細に研究している.一方,実際の火災や消防活動における報告として,火災原因,出火時間,ポンプ台数や鎮圧時間などといった火災報告データが火災統計として整理されており,これは火災や消火活動のプロセス全体を概略的に示したものである.そのため,火災報告データを解析することで出火から鎮圧までの火災や消火活動のプロセス全体の関連構造を把握し,出火及び鎮圧時間に影響する要因を見つけることができる.
そこで,本研究では2011年から2015年までの5年間の火災報告データをJMPの構造方程式モデリングによって分析を行い,火災及び消火活動の各要素の関係をモデリングした.その結果,火災や消火活動のプロセス全体の関連構造を解き明かすための潜在変数を特定することができた.