レベル:初級
食品のおいしさに重要な因子の一つがテクスチャーである。ゼリーやプリンのようなゲル状食品のテクスチャーを付与するゲル化剤において、高分子多糖類の種類やその配合比率を調整することにより、多様な食感設計を可能にする。メーカーのニーズやトレンドに合わせたゲル化剤の開発および提案を行うために、官能評価が重要になる。しかしテクスチャーの捉え方には個人差があるため、評価用語を主観的に設定してしまうと、適切な用語の選出漏れが起こる可能性や、担当者によるバイアスが強くかかってしまう。また、評価基準が個人に依存してしまい、ゲル化剤の特徴の認識にも差異が生じる恐れがある。本研究では、多重対応分析を用いて客観的に評価用語を選定し、評価基準を標準化した。さらに官能評価の結果を多変量分析(主成分分析、クラスター分析)することでゲル化剤の有する食感の特徴を相対的に位置づけし、食感マッピングによって視覚的に共有化できた。
ペクチンをはじめとするハイドロコロイドや天然食品素材、機能性素材を、海外の素材メーカーから取りそろえ、国内食品メーカーに活用ノウハウを提供するユニテックフーズ株式会社で研究開発を行う。統計解析を活用したデータ分析から、商品開発やコア技術の創生に携わる。