次のデータテーブルをご覧ください。野菜や果物の絵がたくさんあり、楽しそうですね!
変数名は日本語で書かれていますが、日本語が分からなくても、それぞれの絵を見れば、その変数が何を示しているのか想像できるはずです。このデータは、野菜や果物について、日ごとの消費額を入力したものです。

データの出典:家計調査(総務省)
絵文字は日本発祥
このデータテーブルの彩りは、変数に絵文字のタグを付けることで実現しています。
絵文字(emoji)は、その単語から分かるように日本発祥のものです。絵文字はUnicodeに含まれているため、現在では世界標準として利用されています。

昨年9月にリリースした最新バージョン「JMP 19」では、列にタグを割り当てる機能が追加され、タグとして絵文字が選べるようになりました。
絵文字を用いることによって、見た目を華やかにするだけでなく、実務的にも役立つ場面が多くあります。
そこで本記事では、まず新機能である「タグ」について紹介し、その後に絵文字タグを活用した有効な例を3つ示します。
「タグ」として絵文字を設定
「タグ」を利用するメリットを3つ挙げるとすると、以下のA、B、Cになります。
タグを用いるメリット
- 列の役割を分かりやすく表示できる
- タグをつけた列だけを選択・表示させる
- プラットフォームで列を指定する際、タグに指定して列を選択できる
JMPのサンプルデータ「Lipid Data.jmp」には、多くのタグが設定されているため、このデータでこれらのメリットを説明します。

列パネルの下側に「タグ」(下図の赤枠で囲んだ箇所)があり、「BP Measure」「Blood Pressure」など、いくつかのタグがあらかじめ設定されています。データテーブルの各列(変数)には、その列に適したタグが付与されています。このデータテーブルからも、メリットAである「列の役割を分かりやすく表示できる」ことが確認できます。
タグの設定方法
列パネルにある「タグ」の「+」ボタンをクリックし、タグの名前やスタイルなどを設定します。
スタイルでは、通常のタグマーク(この例では「Total Measure」「BP Measure」など)に色を付けてタグを管理することもできますし、今回の主題である絵文字を設定することも可能です。

設定されたタグは、列パネルの列名を右クリックし、[タグ]のメニューから選択できます。

設定したタグを選択すると、メリットBである「そのタグの列だけ選択・表示する」ことが可能になります。多くの列がある場合に、特定のタグの列だけ絞ってデータを確認したいときに便利です。

さらに、[分析]や[グラフ]メニューから分析したい機能(プラットフォーム)を選択し、列を指定する際に「タグ」自体を選択対象とすることができます。
下図の例は、「二変量の関係」において、[Y,目的変数]に「Blood Measurements」のタグを、[X,説明変数]に「Physical Measurements」のタグを指定しています。このように指定すると、そのタグが付いた列をまとめて役割として指定できます。

これが、メリットCである「プラットフォームで列を指定する際、タグを使って列を選択できる」機能です。
絵文字だけでなく、通常の文字(テキスト)もタグとして設定できます。下図は、実験計画によって得られたデータに対し、応答変数(4つ)に「Y」、因子(3つ)に「X」のタグを指定した例です。

絵文字タグの利用例
前節で、列に絵文字タグを指定できることを示しました。ここでは、絵文字を利用することが有効なケースを3つほど示します。
1. 変数をイメージしやすくする
以下のデータは、国ごとに年次GDPの推移をまとめたものです。列「Country Name」「Year」「GDP($)」には、その変数をイメージした絵文字タグが付けられています。

最初に示した野菜や果物の例も、まさに変数名をイメージしやすくする目的で絵文字タグを活用しています。
2. 重要な変数を識別する
下図は、多くの変数の中から重要な変数を識別する目的で使用した例です。「最重要変数」「重要変数」をイメージしやすい絵文字タグで表現し、該当する変数にタグを付けています。

多くの変数があるデータで要因探索を行う際、まずスクリーニングなどの手法によって重要な変数を絞り込み、その後、選択された変数で詳細なモデルを構築するケースがあります。そのような場面で有効な使い方です。
3. 特性値に対する目標タイプの設定
連続値の特性(Y)について、目標(大きい方が良い、小さい方が良い、特定の値に合わせたい)を分かりやすく表現する用途にも有効です。
以下のデータでは、実験計画法で取得したデータに対し、4つの応答変数の目標を分かりやすくするため、絵文字タグをつけています。ここでは矢印や的の絵文字を使っていますが、他にも同様の用途に適した絵文字があります。

さまざまなデータを分析していると、時間の経過とともに個々のデータの詳細を忘れてしまうことがあります。例えば、現在分析しているデータに1年後にデータを追加して再分析する場合、変数名があっても、その変数の作成意図や意味を思い出せないことがあります。
そのようなときに、あらかじめ絵文字タグを設定しておけば、より効率的に分析を進められることでしょう。
by 増川 直裕(JMP Japan)
Naohiro Masukawa - JMP User Community
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