レベル:初級
ドラえもんのひみつ道具は1,000個以上存在しており、主に特定個人の課題解決に使われる理想の科学技術である。しかし現在では、個人の課題よりも社会全体の課題解決が急務である。そこで本研究では、ドラえもんのひみつ道具を通じてSDGs時代の課題解決策を検討し、社会課題解決型イノベーションの創出を目指した。解析対象は「タケコプター」や「どこでもドア」など有名なアイテムに関するアンケートデータとし、主成分分析と選好回帰分析を行い、抽出された属性・水準に対してL8直交表を用いたコンジョイント分析を行った。その結果、人々の求める新しい道具の要素として得られた7項目:「知的能力の向上」、「道具の小ささ」、「運動機能の向上」、「時間移動なし」、「空間移動なし」、「時間コストあり」、「ファッション性のシンプルさ」を盛り込んだ理想のドラえもんの道具案を作成した。分析結果から我々が考案した新しい道具のアンケートより、「使ってみたい」「欲しい」は92%という高い支持が得られ、「視覚障害・聴覚障害・身体障害のある方のQOLを向上させることができると思いますか」への解答は「できる」が100%という結果が得られた。
新井 崇弘
千葉大学卒業後、千葉大学医学部附属病院にて経営分析業務に従事。その後、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科修士課程(Master of Science in Health Care Management)。
現在、JMPを使用したデータ解析によるヘルスケア領域の研究を行っている。
山口みなみ
2013 東京医科歯科大学医学部保健衛生学科看護学専攻 卒業
2013~2019 看護師として新生児看護に従事
2019~現在 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科看護学専攻
洪 東方
2017 UNSW大学 生命科学学部(病理学専攻)卒業
2018 シドニー大学 公衆衛生修士課程(MPH)卒業
2019~現在 慶應義塾大学健康マネジメント研究科医療マネジメント学専攻