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超設計による撹乱因子が量的な場合の頑健設計_高橋 武則(2020-JA-45MP-02)

レベル:上級

 

【発表者】

高橋 武則, 客員教授, 慶應義塾大学

 

【発表概要】

超設計は汎用的でかつ包括的な設計法のため幅広い実践的な応用が可能である.中でも頑健設計に関しては従来の頑健設計の枠を大きく超えた柔軟な設計を可能にしている.これまで,殆どの頑健設計は撹乱因子を質的因子として扱っている.しかし,多くの事例の撹乱因子は本質的に量的因子であり,設計理論の都合や計測方法の制約(多くは工夫不足)から質的因子として扱っている.超設計は量的撹乱因子を量的変数として扱うことができるため,従来の戦術的な頑健設計を戦略的・政略的な頑健設計へと大きく進化した設計法である.
 量的撹乱因子の頑健設計では合成関数(関数の関数)の高度な活用が決め手となる.多重(多階層)の合成関数をシステマティックに用いることで画期的な最適化による設計が可能となる.複雑な入れ子構造の合成関数を扱うには高度なソフトが不可欠であるが,JMPはそれを容易に可能にしている.超設計は新しいパラダイムを用意したもとで従来の考え(戦術的な発想)の枠を超えた設計(戦略的・政略的な設計)を実現している.
 本発表では論文および書籍で取り上げられた実事例のデータを用いて量的撹乱因子の頑健設計の理論とその応用を具体的に議論する.

 

【発表者プロフィール】

著者は半世紀に亘りQM(質経営),SQM(統計的質経営)および設計論の研究と実践(多数の企業との共同研究および経営指導他)を行ってきた.1990年代より新しい設計パラダイムである超設計(Hyper Design)を提案し,その数理であるHOPE理論(Hyper Optimization for Prospective Engineering)を研究し,その支援ソフトであるHOPE-Add-in for JMPをSAS社と共同開発を行っている.以上より考え方である超設計,統計数理であるHOPE理論,支援ツールであるHOPE-Add-in for JMPの三位一体で新しい設計法を実現している.
 設計は敷居が高いため特殊な人々による特殊な活動と誤解されることが多い.これを打破し多くの人が設計を使いこなせるようにするために,著者は理論研究とともに新しい教育方法についても開発している.それは実物教材(紙ヘリコプター,紙グライダー,コイン射撃ほか)と仮想教材(飛球シミュレーターほか)を用いた体験型教育である.この教育プログラム(統計の基礎から超設計まで)は多くの場面でJMPによる可視化した解析と設計を行うために,分かり易くかつ面白い教育に仕上がっている.この教育は30年以上に亘り国内外の大学(慶應義塾大学,Yale University,東京理科大学,筑波大学他)および多数の企業で実施しその有効性を確認している.

 

※さらに詳細な理解を希望される方には、論文をご用意しております。ご希望の方は、発表者である高橋武則様まで直接ご連絡ください。