2022年の台風発生状況を可視化
日本では梅雨から夏、秋にかけて多くの台風が発生し、日本列島に上陸すると人々に甚大な被害をもたらすことがあります。
今年もすでに台風1号が4月に発生し、今後増えていくことでしょう。台風が発生しているときはこまめにニュースなどの情報をチェックし、備えておかなくてはなりません。
昨年2022年は25個もの台風が発生し、そのうち日本に上陸したものは3個、接近したものは8個です。
これらの台風がどのような経路で進んでいったかを、JMPの「バブルプロット」を使って可視化してみました。
バブルに表示されている数字:台風の号数
バブルの大きさ:風速に比例
バブルの色:上陸、接近したか否か(右上に凡例を表示)
使用するデータテーブルとデータ加工
上記のグラフは、気象庁のページに公開している台風位置表(2022年) より作成しています。このデータをJMPで読み込んだものを示します。
比較的きれいなデータではありますが、このデータのままだと上記のバブルプロットは描けません。バブルプロットを描くためのデータの加工が必要になってきます。
ここでは、そのうち重要なもの、覚えておくと便利なものを3点挙げます。クイズ形式にしていますので、少し考えてみてください。
①日時(y/m/d h:m)のデータを作成
(質問)6時間ごとの台風の位置情報をアニメーションしたい場合は、「年」、「月」、「日」、「時(UTC)」から、日時を示す列を作成する必要があります。JMPの計算式でこの列を作成するにはどのようにしたらよいでしょうか?
(回答)一例として、新しい列に次のような計算式を指定することにより実現できます。計算式により得られる値は、JMP日付値(1904年1月1日からの秒数)です。そのため、この列の表示形式を 「y/m/d h:m」 形式に変更しておきます。
- Date DMY(d,m,y) 関数は、日(d)、月(m)、年(y) をJMP日付値に変換します。
- In Hours(hour)関数は、引数hour(時数) を秒に直します。例えば In Hours(6)は21,600(秒)を返します。
②台風番号から台風の号数を取りだす
(質問)列「台風番号」は、2022年の台風1号であれば"2201" 、2号であれば"2202"と表記されています。この列から、単に号数1、2・・・を取りだすにはどのようにしたらよいでしょうか?
(回答)いろいろなやり方が考えられますが、一例として、以下のように台風番号から2200を引けば良いでしょう。
➂ (台風の)号ごとに、その台風が上陸したのか、接近したのか、接近しなかったかの情報を含める
(質問)25個の台風のうち、上陸した台風、接近した台風は以下の号数です。
上陸:4,8,14号
接近:1,5,6,11,12,15,17,18号
この情報を新しい列を作成し、データに付与するにはどのようにしたら良いでしょうか?
(回答)こちらもいくつかのやり方が考えられますが、[再コード化]を利用する例を示します。
列「号」を選択し、[列] > [再コード化] を選択し、以下のように新しい値をします。
該当する値をCtrlキーを使って複数選択し、右クリックメニューから [新しい値にグループ化] を選択すると効率的です。
※新しい値は文字列なので、最初に左上の赤い三角ボタンから [文字列に変換]を指定しておきます。
バブルプロットで台風の進路をアニメーション
データ加工により作成したデータテーブルです。オレンジ色の列を用いてバブルプロットを作成します。
[グラフ] > [バブルプロット] を選択し、次のように列を選択します。
グラフに日本付近の地図を追加するために、グラフの白い部分を右クリックして[背景地図]を選択し、ここではイメージとして「細かい衛星写真」を選択します。
バブルプロットのレポートです。レポート左下にある「速度」でアニメーションの速度を、「バブルのサイズ」でプロット点のサイズを調整し、アニメーションの再生ボタンをクリックします。すると、本記事の最初に動画で示したアニメーションを実施できます。
by 増川 直裕 JMP Japan
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