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大規模副作用情報データベースに基づくしゃっくり誘発因子の解析

大規模副作用情報データベースに基づくしゃっくり誘発因子の解析

武蔵野赤十字病院 薬剤部/明治薬科大学 臨床薬剤学研究室 細谷 龍一郎
明治薬科大学 臨床薬剤学研究室 教授 加賀谷 肇
明治薬科大学 臨床薬剤学研究室 准教授 植沢 芳広、野澤 玲子

 

しゃっくりは多くの人が経験する症状である。生命に直接影響することは稀だが、難治性のしゃっくりは不眠症、うつ病等を招くとされている。特に、疾病の治療をおこなっている患者にとって、薬剤起因性のしゃっくりは治療を妨げるだけでなく、適切な治療選択に影響を与える可能性がある。しかし薬剤の副作用として報告は少なく、その関連は明らかになっていない。そこで大規模副作用データベース(Japanese Adverse Drug Event Report database:JADER)を用いて、しゃっくりの原因薬物を探った。JADERは4つのデータテーブルから構成されており、JMPを用いて各テーブルを結合した。しゃっくり発症の有無と各薬物の有無から、網羅的に2×2の分割表を作成、オッズ比とFisherの正確検定のP値を算出した。オッズ比の自然対数をX軸に、Fisherの正確検定のP値の逆数の常用対数をY軸にとり、散布図(volcano plot)を作図したことで、多くの医薬品の中からしゃっくりの発症に影響する薬物を抽出、可視化することに成功した。さらに、患者情報とともに多変量解析を行うことで関連のある身体的情報を評価することができた。JMPを用いたこれらの手法は、大規模副作用データベースから必要な因子を抽出、可視化することができ、臨床医学的にも有用である。