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飛球シミュレーターによる包括的実験計画法の実践的教育_小川 昭(2021-JA-25MP-10)

レベル:中級

実験計画法を活用して工程改善の成果を挙げるには、まず対象工程内の誤差を低減し、次に目的に合った実験を計画、実行し、得られたデータを解析して最適解を求める。これを工程に適用して改善を確認し、もし改善が不十分であれば最適解を修正して確実に成果を挙げる。以上の取り組みは単なる実験計画法ではなく、一連の取組みを総合的にまとめた包括的実験計画法である。この習得するには、仮想的であっても計画、実行、解析、改善のPDCAを実践的に体験することが重要であり、従来は紙ヘリコプターやテーブルゴルフなどの教材が用いられた。しかしこれらには一人で短時間に効率よく学べない欠点があった。

 

近年JMPのアドインソフトとして、誤差を含む工程データを柔軟に生成できる飛球シミュレーターが開発され、一人でも効率的に包括的実験計画法を習得できるようになった。そこで本研究では飛球シミュレーターとJMPの実験計画法プラットフォームとを連携させ、カスタム計画(最適計画)を前提に、包括的実験計画法のPDCAを体験学習する教育プログラムを考案した。特に非線形応答にも対応して最適解を回帰修正するために、多水準の繰返し実験を採用した点に特徴がある。