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Level I

分析の仕方

非パラメトリック → Wilcoxon 検定の分析の部分に存在しません。赤三角を押しても出てこないのはなぜでしょうか?student editionではできないことがあるのでしょうか? student editionを現在使用しています。 どうすれば検定、pの値を出せるのでしょうか?

1 REPLY 1

Re: 分析の仕方

JMP Student Editionで機能が制限されていることはなく、Wilcoxon検定も実行できます。

[分析]→[二変量の関係]を選択すると呼び出されるウィンドウにて、[Y, 目的変数][X, 説明変数]に設定された列が次のような尺度になっていることを確認してください。

[Y, 目的変数]に指定した列 = 連続尺度
[X, 説明変数]に指定した列 = 名義尺度

以上のような尺度が設定されている場合、[二変量の関係]を実行すると、レポート先頭の赤い三角ボタンをクリックすると呼び出されるメニューにて、[ノンパラメトリック]→[Wilcoxon / Kruskal-Wallis検定]を選択すると次のような検定が実行されます。

(a) X変数が2水準の場合は、1/2連続補正したWilcoxon検定と、連続補正していないWilcoxon検定という2つの結果が表示されます。
「Wilcoxon 2標本検定 (正規近似)」に表示される結果は、1/2連続補正したWilcoxon検定です。
「Kruskal-Wallis検定 (カイ2乗近似)」に表示される検定は、1/2連続補正していないWilcoxon検定です。


1/2連続補正したWilcoxon検定は、1/2連続補正していないWilcoxon検定に比べて保守的な結果となります。
1/2連続補正したWilcoxon検定は、歴史的に見ると、もともと"正確"な検定を近似するために普及した方法ですが、コンピュータ性能が向上したことにより、データが小規模であれば、"正確"な検定を行えるようにもなりました。"正確"な検定については後述します。


(b) X変数が3水準以上の場合は、Kruskal-Wallis検定が実行されます。

これらは、すべて正規近似に基づいて計算されています。


一般に、Wilcoxon検定は、2群比較において、主に次のような状況で使われる検定です。

(1) 目的変数が連続尺度であり、外れ値が含まれる可能性がある場合で、外れ値にあまり影響を受けない検定を行いたい場合
(2) 目的変数が連続尺度であり、単調変換によって不変な検定を行いたい場合(特に、何かしらの変換を行ったらロジスティック分布になる場合)
(3) 目的変数が順序尺度であり、順位をスコアとして検定を行いたい場合

もし状況が(3)のような場合であり、Y変数のデータ値が文字列として保存されている場合には、数値に変換たのちに、その数値に変換した列を連続尺度にして[二変量の関係]を実行してください。

「Wilcoxon検定」は元データを順位に変換することで導出される検定ですが、U統計量と呼ばれる統計量のひとつを検定統計量とする「Mann-WhitneyのU検定」と等価な検定です。そのため、「Mann-Whitney-Wilcoxon検定」や「Wilcoxon-Mann-Whitney検定」と呼ばれることもあります。また、3群以上に対するWilcoxon検定と同種の検定は、「Kruskal-Walis検定」と呼ばれています。


なお、データが小規模であり、データの並べ替えを"正確"に行って求めた検定も実行したい場合には、[ノンパラメトリック]→[正確検定]→[正確Wilcoxon検定]を選択してください。このWilcoxon検定における"正確"検定は、データを順位に変換した後、それを並べ替えることでp値を求めています。ただし、データが少し大きいだけで計算が終わらない場合があります。また、"正確"という名前が付いていますが、データが小規模だと、かなり保守的な結果となります。「保守的」というのは、例えば有意水準5%の検定をするためにp値が5%以下のものを棄却するとしたとき、帰無仮説が正しい場合に(2群の確率分布がまったく一緒である場合に)帰無仮説が棄却される確率が5%をかなり下回ることを指します。


また、t検定に対応する点推定値が平均差であるのに対して、Wilcoxon検定に対応する点推定値はHodges-Lehmann推定値と呼ばれているものになっています。Wilcoxon検定でのHodges-Lehmann推定値は、第1群と第2群のすべてのペアに対して平均差を求めて、その中間値をとったものです。このHodges-Lehmann推定値を求めたい場合には、[ノンパラメトリック]→[ノンパラメトリックな多重比較]→[ペアごと Wilcoxon検定]を選択してください。

いずれにしても、Wilcoxon検定は、基本的には「2群の確率分布がぴったり等しい」ということを帰無仮説としています。そのため、たとえ非常に小さいp値が得られたとしても、『「2群の確率分布はなんかどっかが違う」ということをデータが示唆している』ということしか主張できません。Wilcoxon検定のp値を求めることだけを目的とせず、[二変量の関係]で一緒に出力されるグラフを見たりして総合的に判断したほうがいいのではないかと思います。また、他に共変量があるならば、それも加味したモデル化を試みるなど補助的な分析も行ったほうがいいと思います。

Yusuke Ono (Senior Tester at JMP Japan)

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