東林コンサルティング 代表 細島 章
生産実績データを分析して不良原因を究明する場合にパティション分析は抜群の切れ味を示す。パティションレポートは良品と不良品が発生する範囲を層別して、対応する葉のレポートは変量範囲における不良品(良品)の発生数(率)を明らかにするので、不良品発生条件を明確に把握することができる。この分析結果は統計的知識が無くても理解可能なので、分析結果を顧客やキーパーソンに説明することも容易である。回帰分析のように意識的に交互作用項をモデルに組み込まなくても交互作用が明らかになることも利点である。もちろんパティション分析は万能ではない。交互作用を明らかにできないこともある。不良原因分析に限らないが、複数の分析手法でプロファイルの差異を比較して、技術的観点からモデルの妥当性を検討することが重要である。市場返品予測は経営に直結する重要問題となることがあるが、JMPの信頼性予測の威力には目を見張るものがある。AICc基準が示されて最適モデルが明らかになるので希望的バイアスを排除した予測ができる。とりわけ部分故障モデルは実態にフィットすることが多く重宝である。