「アソシエーション分析」に ”視覚的なグループ化手法” をプラスした医薬品副作用の関連性分析
SAS Institute Japan株式会社 JMPジャパン事業部 システムエンジニア 増川 直裕
アソシエーション分析は、店舗で消費者が購入する商品の組み合わせの中で関連が強いものを見つけ出す方法として用いられるが、薬の副作用パターンを見つける方法にも応用することができる。この分析により、ある薬剤を投与した患者に対し、起こり得る可能性が高い副作用の組み合わせを知ることができる。JMP Pro 13では「アソシエーション分析」のプラットフォームがあり、大量かつ多種の副作用データでも、アプリオリのアルゴリズムにより、頻度が高い副作用の組み合わせを提示してくれる。さらに、このプラットフォームでは、トランザクション(患者)とアイテム(副作用)の行列を特異値分解(SVD)するオプションがあり、行列を低次元に縮小して図示することにより、副作用の発生パターンが類似している患者のグループ化や副作用自体を視覚的にグループ化ができる。特異値分解はアソシエーション分析とは別のグループ化手法ではあるが、アソシエーション分析では見つけることができない関連性を発見できるケースがあり、双方の分析を組み合わせて結果を考察することは有益である。本発表では、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開している医薬品副作用データベース(JADER)を用い、「アソシエーション分析」プラットフォームで、ある特定の薬剤を投与した患者を対象とする副作用の関連性を分析する例を提示し、特異値分解のレポートを考察することの有用性を示す。