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食品の官能評価パネルの評価傾向の可視化と精度向上のための課題抽出

【背景】食品の分析型官能評価は、商品の特性や品質の差を客観的に評価する方法であり、品質管理の手段として採用されている。そのため評価パネルが評価系に則り、主観に依らず評価を実施できているのか検証することは重要である。
【方法】市販の水分補給ゼリーの特性把握および、開発品の品質管理を目的として、物性に関する官能評価を実施した。取得データはJMPを用いて多重因子分析(Multiple factor analysis; MFA)を行い負荷量プロットからパネル間における評価の違いを可視化した。また、その結果から評価精度に影響を及ぼしている課題を考察した。【結果】市場品の官能評価データを分析した結果、ほぼすべての評価項目で評価傾向が異なるパネリストはおらず、全員が評価系に則り評価できていることが明らかになった。しかし、複数の開発品を対象とした官能評価データをMFAした結果、一部評価項目で評価傾向の異なるパネリストの存在が明らかになった。その原因として、評価のトレーニング量、対象食品への精通度合い、試料間の物性の類似性等が考えられ、官能評価による高精度な品質管理を実施するための課題が明らかになった。