レベル:初級
実務での実験は多額の費用と長い時間と多大の労力が必要なために,確実に成果を挙げることが求められる.このためには以下のことを体験的に理解しかつ実行できる包括的な対応能力を身に着ける必要がある.
①誤差のばらつきを小さくすることの重要性を知る.このためには誤差のばらつきがどう影響するかを知る必要がある.
②確実に効いている可能性のある因子をいくつか取り上げる.このためにはスクリーニング実験を活用する.
③モデル(模型,関数)には不足の項がないようにする.このためにはLOF(不適合)のないモデリング実験が必要である.
④設計の本質は数理計画法を用いた最適化にほかならない.このためには優れた機能を有した使いやすいソフトが不可欠である.
⑤統計処理が正しくてもばらつきの影響で解はしばしば目標値からずれる.このためには事後に回帰修正が必要である.
上記の内容を短時間で安全にかつ納得のいく形で習得するには仮想教材を用いた体験型教育が不可欠である.
本研究は飛球シミュレーターを用いた包括的な実践的実験計画法の教育カリキュラムを提案する.計画立案,実験実施,データ解析,設計(最適化),回帰修正等について具体的に紹介する.
大学で応用物理を学び、大手制御機器メーカー入社後は自社製品に伴う半導体デバイスの研究開発、生産の要素技術開発から製造ライン構築、顧客品質保証からISO認証取得等、生産に関しては基礎から応用まで全てを担当して参りました。その後大学院にて統計的品質管理 (SQC) に基づく経営視点の最適化を研究し経営学の学位 (博士) を取得しました。現在は経営視点の中に情報通信技術の進歩に伴うデータマネジメントをより強く意識するようになりました。計測技術がインターネットと融合してIoTに進化したように、SQCを推進した技術者はデータサイエンティストとして活躍する時代になりました。JMPは2003年から業務に活用し始め、そのポテンシャルの高さをすぐに実感しました。JMPer’s Meetingでは実験計画法や最適化について発表し、Discovery Summit Japan にも2016年から口頭ならびにて発表しております。
※さらに詳細な理解を希望される方には、論文をご用意しております。ご希望の方は、発表者である小川様まで直接ご連絡ください。