SAS Institute Japan 株式会社 JMPジャパン事業部 システムエンジニア 増川 直裕
製剤開発のガイドライン(ICH-Q8)では、QbD(Quality by Design)を実践するための手法として実験計画法の利用が挙げられている。JMPではガイドラインの内容に即した実験計画法(多変量モデルのあてはめ、デザインスペースの構築を含む)を型通りの操作方法で実施できるが、解析の過程において、データの特徴を要約やグラフ化することによって把握し、分析結果を詳細に考察することは非常に重要である。
最近、これらの重要性を実感できるデータに出会えた。 それが、日本薬剤学会 製剤処方・プロセス最適化検討FG(フォーカスグループ)にて、OD錠の処方設計のために収集された実験データである。 実験は、実験計画法で作成される計画に基づいて行われたものであり、データは次の目的で利用できる。
- OD錠の品質特性である「崩壊時間」に影響する因子をスクリーニングする。
- スクリーニングされた因子を用い、3つの品質特性「崩壊時間(速い方が良い)」、「硬度(高い方が良い)」、「摩損度(低い方が良い)」に応答曲面モデルをあてはめ、同時に最適化する。
幸い、FGからこのデータを本発表にて利用する許可を頂いた。そこで、JMPを用いこのデータを解析してみることにより、上記に記載した”データの特徴把握”、”レポートの詳細な考察“の重要性について説明する。