JMP Proを用いた進行乳がんの病態層別化:潜在クラス分析による臨床的示唆と研究展開

進行乳がんでは、臓器転移による症状に加え、全身的な病態に起因する複雑な症状の把握が重要となる。本研究では、JMP Proを用いて466例の進行乳がん患者データに対し潜在クラス分析(LCA)を実施し、病態ごとの患者層別化を試みた。昨年のディスカッションを踏まえ、従来の因子分析からLCAに手法を変更した。解析の結果、7つの病態クラスターを同定し、特に胸水貯留を伴う2群が異なる背景病態を持つことが示唆された。一方はリンパ管塞栓による「がん性リンパ管症型」、他方は胸膜炎を伴う「がん性胸膜炎型」であり、CT画像やLDH値にも明確な差がみられた。さらに、本研究と並行して、乳がん患者から多数のオルガノイドを樹立しており、胸水由来オルガノイドとの比較から、LCAで得られた知見の生物学的妥当性を検証中である。本研究は、JMP Proによる臨床データ解析と基礎研究をつなぐリバーストランスレーショナルリサーチの実践例であり、今後は胸水画像のAI解析との統合を目指している。本発表では、JMP Proを活用した層別化モデルの有用性と今後の研究展開について報告し、関連分野の研究
者との協働の可能性を探りたい。

Presenter

Schedule

Friday, Nov 7
2:30-3:00 PM

Location: ROOM C

Skill level

Intermediate
  • Beginner
  • Intermediate
  • Advanced
Published on ‎09-17-2025 05:55 AM by Staff | Updated on ‎09-17-2025 06:20 AM

進行乳がんでは、臓器転移による症状に加え、全身的な病態に起因する複雑な症状の把握が重要となる。本研究では、JMP Proを用いて466例の進行乳がん患者データに対し潜在クラス分析(LCA)を実施し、病態ごとの患者層別化を試みた。昨年のディスカッションを踏まえ、従来の因子分析からLCAに手法を変更した。解析の結果、7つの病態クラスターを同定し、特に胸水貯留を伴う2群が異なる背景病態を持つことが示唆された。一方はリンパ管塞栓による「がん性リンパ管症型」、他方は胸膜炎を伴う「がん性胸膜炎型」であり、CT画像やLDH値にも明確な差がみられた。さらに、本研究と並行して、乳がん患者から多数のオルガノイドを樹立しており、胸水由来オルガノイドとの比較から、LCAで得られた知見の生物学的妥当性を検証中である。本研究は、JMP Proによる臨床データ解析と基礎研究をつなぐリバーストランスレーショナルリサーチの実践例であり、今後は胸水画像のAI解析との統合を目指している。本発表では、JMP Proを活用した層別化モデルの有用性と今後の研究展開について報告し、関連分野の研究
者との協働の可能性を探りたい。



Starts:
Fri, Nov 7, 2025 12:30 AM EST
Ends:
Fri, Nov 7, 2025 01:00 AM EST
ROOM C
0 Kudos