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粗収入に影響する肥培管理の探索~「ちゃぴおんねっと」の生産履歴分析~

鹿児島県茶市場では,生産履歴開示に対応するため,生産者のほ場での各種肥培管理や,製造記録,単価,荒茶画像解析による品質情報等をクラウドで管理する「ちゃぴおんねっと」システムを構築している。

今回,このシステムに蓄積された生産履歴データの現場での活用法を確立するために,管内11茶生産者がモデル茶園を設置し,「ちゃぴおんねっと」の生産履歴データに加えて,一番茶の芽数や荒茶成分,土壌分析値等,35項目のデータを5年にわたって収集した。このデータから一番茶の「粗収入」(=単価×収量)に影響する肥培管理をJMPの機能を用いて探索した。

二変量や多変量の相関,PLS回帰により,「粗収入」には一番茶の「芽数」と「摘採日」が影響した。荒茶成分の主成分分析により,全窒素含量には「被覆日数」が大きく影響した。また,土壌分析値の主成分分析の外れ値分析により,他の土壌と成分値が大きく異なり土質改良が必要なほ場を明らかにできた。

以上,粗収入を確保するために年間栽培体系でポイントとなる肥培管理や荒茶品質や土質確保の指標が明らかとなった。今後は,これらの情報をふまえ現場での肥培管理の指導に生かしてゆく。

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