目白大学 経営学部 経営学科 客員研究員 川﨑 昌
慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科 客員教授 高橋 武則
近年、企業で実施する各種の調査において、インターネットを活用したオンライン調査が盛んである。たとえば、1万人を超える全国規模のアンケート調査を実施するような場合にも、経済性、利便性の観点からオンライン調査の活用が有効である。 実施する調査の予算や回答者の負担を考え、質問項目数を最小限に絞り、かつ調査の目的に応じた本質的な内容の調査票を作成にするには、事前に概念図や特性要因図に基づく質問項目の吟味や予備調査を行うことが望ましい。また、大規模なオンラインアンケート調査の場合、取得したデータ分析においては記述統計で終わらず、丁寧な層別と多変量解析による統計的なアプローチが必要となる。それにより、調査対象の実態を詳細に把握し、合理的な提案の方向性を導き出すことが可能になる。 本発表では、大規模なオンラインアンケート調査の実践的な事例を用いる。事例では、調査の着想から事前準備後の調査票設計、予備調査と本調査による効果的なデータの取得、およびJMPを使用したパーティション分析や選抜型多群主成分回帰の活用とその結果について報告する。