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共変量を含む多因子実験データでの交互作用を考慮した探索的な変数選択_高橋 行雄(2023-JA-25MP-02)

レベル:初級

 

【発表者】

BioStat研究所株式会社 代表取締役  高橋 行雄

 

【発表概要】

繰り返し数が揃っている多因子実験データの解析において最適なモデルを見いだすことは,交互作用も含めて全ての要因が互いに直交していることから,分散分析表のp値が大きい要因を誤差項にプーリングだけで済ませることができる.しかし,考慮しなければならない共変量がある場合には,平方和の分解による分散分析表の作成ができない.宮川(2008),「問題発見の解決の科学-SQCの基本-」に,共変量を含む3因子実験データの解析事例があり,層別散布図に回帰直線を重ね書きした図を主体にした結果とダミー変数を用いた回帰分析の結果が示されている.宮川は,回帰パラメータの推定値による推論は容易ではなく,散布図における地道な層別に勝るものはないことを強調している.そこで,JMPの「モデルのあてはめ」での「ステップワイズ法」による交互作用を含む変数選択をした後に「標準最小2乗法」による「予測プロファイル」と「交互作用プロファイル」の活用し,さらに「グラフビルダー」による格子状の層別散布図に繋げた多面的・総合的な問題解決法を示す.さらに,JMPの作図に加え,Excelを用いた問題解決に必要な散布図の作成方法についても示す.

 

【発表者プロフィール】

JMP4からのユーザで,SASもJMP以前から使っています.以前勤めていた会社では,各種のJMPを用いた統計教育を行いつつ,JMPの社内での普及活動を行ってきました.この成果は適宜,JMPer’sミーティングで紹介してきました.定年退職後は,自営業的コンサルティング会社を設立して活動を続けています.最近,日本の多くの学問分野(臨床統計を除く)における実データの統計解析能力が集団的に衰退しつつあることを実感しています.私にとって実験計画法は,統計の理論の学習,実務での実践のために欠かせないものでした.今回のテーマは,共変量を含む多因子実験データの解析で,共変量と1つの因子との交互作用がある事例を取り上げます.伝統的に共変量を含む実験データの解析では,統計的に共変量の影響を取り除いて,他の因子の水準間の比較を行うことを目的としており,交互作用がないことを前提にしています.したがって,共変量との交互作用がある場合の解析法については混沌とした状況であり,JMPの優れた解析結果の多彩なグラフ表示を活用した解析事例を共有する必要性を感じています.