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選抜型両側因果分析から反転因果分析への進展_高橋 武則(2021-JA-50MP-22)

レベル:上級

 

【発表者】
高橋 武則, 慶應義塾大学 健康マネジメント研究科 客員教授

 

【発表概要】
CS(顧客満足度)調査における選抜型両側因果分析の主目的は「どの対象に手を打つべきかを客観的に明らかにすること」である.このため原因系項目(サービス,商品特性)のうち結果系項目(満足度評価)に影響の特に強いものに焦点を絞り,そうでないものは分析の過程で積極的に除外するという重点指向(The vital few and the trivial many.)のアプローチをとる.

 

しかし,選抜型両側因果分析の終了後に,CS調査でとった全データを活用してCSの俯瞰的因果構造を把握することは高度で有用な知見を獲得できる点で価値がある.このために有用な方法として,選抜型両側因果分析の過程で除外したものを復活したうえで活用してSEM(構造方程式モデリング)に準じた方法を提案する.

 

結果系に直接強い影響を持っていなくても原因系の因子に影響を持つもの(原因項目と因子)は,全体の因果構造を把握する上で価値ある情報を提供してくれる.選抜型両側因果分析後に行うSEMのためのパス図作成のスタートは選抜型両側因果分析の最終結果の構造模型図の加工である.これに分析過程で除外したものを順次復帰させて俯瞰的因果構造を段階的に構築する.以上のことから明らかなように,この方法の本質は選抜型両側因果分析で得た因果構造を核とし,その背後の因子に注目して図を反転させた反転因果分析である.それはSEMそのものではないが,本質的にはSEMに準じたアプローチなので準SEMと位置付けることができる.

 

※この発表では動画の公開はございません。