目白大学経営学部 客員研究員 川﨑 昌
慶應義塾大学大学院 客員教授 高橋 武則
近年、簡便なアンケート作成ツールを活用したオンライン調査が盛んである。これらのツールは、直感的な操作で調査票の作成が可能であり、回答データからリアルタイムに単純集計グラフが表示される便利な機能も備えている。しかし、調査結果をもとに、提案や改善等の何らかの計画を立てるには、より丁寧な解析を行うことが望ましい。
本発表では、JMP 12 (SAS Institute Inc., Cary, NC, USA) を使用し、調査データから意味のある層別を見出すパーティション分析、および基本的な多変量解析を組み合わせることで提案の方向性を導出できる選抜型多群主成分回帰分析の解析例を紹介する。意味のある層別によりモデルの寄与率が向上し、ビジュアライズ機能に優れたJMPを用いることで、提案の方向性を視覚的に確認できる。
また、より具体的な計画とするために、前述の解析結果に基づき質問紙実験を実施する。質問紙実験の解析では満足度関数を用いることで、満足度を最大化する施策の吟味が可能になる。なお、発表時はスマートフォンの満足度調査の事例をこの一連の方法論に適用し、実際にJMPを操作しながら解説する。