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嚥下困難者用水分補給ゼリー開発のための官能評価系構築とマッピングによる特徴の視覚化

【背景】
摂食・嚥下障害の臨床現場では、水分補給の手段として「ゼリー」や「とろみ剤」が使用されている。我々は新たな特徴を持つリセットゲル®を開発し臨床での使用が進んでいる。一方で開発段階においては臨床的な評価を行うことが難しい。そのため、摂取・嚥下健常者(開発者)が製品比較可能な評価ツールが必要であると考えた。そこで官能評価系を構築しマッピングによる物性の可視化を試みた。
【方法】
評価系構築に際し、評価用語は候補となる用語の中で多変量の相関を実施し選定した。また構築した評価系を用いた市販品とリセットゲル®の官能評価結果を、主成分分析、クラスター分析し、2次元にマッピングすることで各製品の食感的特徴を視覚化した。
【結果】
評価用語には、広がり、やわらかさ、弾力、ジューシー、粒感、まとまり、残留感(口腔)、被膜感(咽頭) が選定された。評価結果をクラスター解析すると計5つに分けられ、3つは主にゼリーの市販品残り2つは各々とろみ剤とリセットゲル®が含まれていた。リセットゲル群はゼリー群と比べて「やわらかさ」のスコアが高く、とろみ剤群と比べて「まとまり」のスコアが高いことが明らかになった。