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ノンターゲティングオミクスによる発酵種製法パンとイースト種製法パンのにおいの網羅的解析

昔からパン作りの秘訣は、1に小麦粉、2にイースト、3に技術と言われており、使用する量は少なくても、イーストは一番重要な原料の一つである。イーストの生地における働きは、酵素が糖類を分解して炭酸ガスをつくり、そのガスをグルテン膜が包み込み、焼成によって生地が膨張した状態で固まり、パンが作られる。この膨張によってパンの商品価値が高まり、火通りをよくし、消化もよくなり、また発酵により生成する揮発性成分によりにおいと呈味が向上する。最近、日本では乳酸菌を主体としたルヴァン種を使うことによるおいしさの品質特性である風味の向上が注目されている。本研究では、ルヴァン種製法パンの呈味成分の特性を明らかにするために、焼成当日から5日目のルヴァン種製法パンおよび従来のイースト製法パンについて風味分析を行った。呈味成分は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)を用いて、遊離アミノ酸および糖の含有量を測定した。また2次元ガスクロマトグラフ飛行時間型質量分析計(GC×GC‐TOFMS)によりにおいの網羅的解析を行い解析データはJMP Pro 17で多変量解析を行った。