現場における原料の画像撮影による荒茶品質改善の試み
鹿児島県茶市場での荒茶画像解析データと,現場での原料の生の茶葉と製造行程での蒸した茶葉の画像データとを紐付けする手法をJMPの各種機能を用いて検討した。
生葉および蒸し葉の画像データから,PLS回帰やニューラルモデルを用いて,荒茶の外観色合を高い精度で予測できた。荒茶単価は,モデルのあてはめにより,品種や入札日,被覆の有無に加えて,蒸し葉の彩度や色合により高い精度で予測できた。また,スマホの画像解析アプリで得られたデータを用いても,上記と同様の傾向であった。
一方,茶市場画像データには欠測があったが,二変量の関係により,欠測の有無により単価の平均に差はなく,等分散性の検定やコルモゴロフ・スミルノフ検定でも分散や分布に違いはなかったことから,欠測は完全にランダムな欠測と考えられた。JMPの欠測値補完機能を用いた結果,補完したデータセットを用いたニューラルモデルの精度は欠測値を除いたモデルよりも低かった。
以上,現場の原料の画像から出荷後の荒茶品質の予測が可能であることが示唆された。今後は,さらにサンプル数を増やし予測精度を高め,現場での摘採・製造における指導に生かしてゆく。