レベル:中級
構造方程式モデリング(Structural Equation Modeling; SEM)は、俯瞰的知見の獲得を目的として、複雑な仮説モデルの検証に用いられることが一般的である。しかし、このアプローチの核となる仮説モデルの構築には、丁寧な先行研究や対象領域の専門知識が不可欠であり、その準備や吟味にはかなりの時間とエネルギーを要する。また、仮説モデルの検討に試行錯誤を重ねたとしても、結果として適合度の良いモデルが獲得できるとは限らない。さらにその結果として、自身が納得できかつ他者への説得性をもつ考察につなげられない事態となることも少なくない。
本発表では、重点指向にもとづく選抜型両側因果分析の結果から出発し、発展的にSEMの仮説モデルに近づくための方法論をオンライン調査の事例を用いて紹介する。仮説モデルを段階的に拡張していくこの方法論では、JMP Proの分析ツールを活用することで、効率的にSEMの仮説モデル構築に向けて接近できると共に、複数モデルの適合度指標も容易に比較可能となる。発表時は、実調査データを用いたJMPデモンストレーションを交えてこの方法論の具体的な解説をわかりやすく行う。
※この発表では動画の公開はございません。