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最小2乗平均の謎を予測プロファイルで解く_高橋 行雄(2020-JA-25MP-08)

レベル:中級

 

【発表者】

高橋 行雄, 代表取締役, BioStat研究所株式会社

 

【発表概要】

JMPの「モデルのあてはめ」で結果として得られる「最小2乗平均」および「予測プロファイル」は,探索的な解析の結果の表示になくてはならないものである.しかし,竹内ら(1989),「統計学辞典」の索引にも載っていない方言みたいなもので,説明するのに苦労することになる.最近,質的因子と量的因子および交互作用を含む“共分散分析”において「最小2乗平均」および「予測プロファイル」を互いに補完させることにより,簡潔で明解な説明ができることを見い出した.用いるデータは,奥野ら(1981),「多変量解析法,改訂版」にある「層別因子を含む回帰分析」の事例(亜硫酸ガス回収搭の観察結果,回収液の濃度をy,洗浄用水の温度をx,4水準の操業時期A)である.原著では,操業時期(1・2月)が他の時期に比べ傾きが異なるかのようなグラフ表示がある.交互作用を含むモデルとし,予測プロファイルで操業季節Aを変化させつつ洗浄用水の温度xのプロファイルの変化を追い,温度xを変化させつつ操業季節Aの濃度yの平均の比較をし,温度xの総平均を与えた場合に操業季節Aの最小2乗平均に一致することを明確に示すことができる.

https://www.yukms.com/biostat/takahasi2/rec/009-13.htm

 

【発表者プロフィール】

JMP4からのユーザで,SASもJMP以前から使っています.以前勤めていた会社では,各種のJMPを用いた統計教育を行いつつ,JMPの社内での普及活動を行ってきました.この成果は適宜,JMPer’sミーティングで紹介してきました.定年退職後は,自営業的コンサルティング会社を設立して活動を続けています.最近,日本の多くの学問分野(臨床統計を除く)における実データの統計解析能力が集団的に衰退しつつあることを実感しています.共分散分析は,私にとっても古くて新しい課題です.交互作用を含む共分散分析について,まじめに取り組む必要性がありました.共分散分析は,交互作用がない場合の解析モデルとして定着している.歴史的には交互作用を含む場合も議論されていたことを再認識し,このことが,SASの方言である最小2乗法,JMPの方言である予測プロファイルを説明する際に,極めて有用であることを痛感しました.